57歳になって、ようやく気づいたことがある。 シミや肝斑に向き合うために始めた“こすらないスキンケア”が、 思いがけず、私の生き方までやわらかくしてくれた。
肌をいたわるように、 自分にも優しくする。 ゆっくり触れるように、 ゆっくり生きる。
そんな変化が、 静かに、でも確実に私の毎日を変え始めている。

最近、私はひとつのことに気づいた。 肌をこすらないように生きると、 人生までこすらなくなるのだと。
57歳になって、ようやく自分の肌と向き合う時間が増えた。 若い頃のように勢いでこすったり、 「早く終わらせなきゃ」と焦ったりすることが減ってきた。
シミや肝斑に向き合うために、 “摩擦ゼロ”を意識し始めたのがきっかけだった。 こすらない洗顔、こすらない保湿、こすらないメイク。 そのどれもが、思っていた以上に時間がかかる。 動作をゆっくりにしないとできない。
泡を置く。 手のひらで包む。 待つ。化粧水を置く。 手のひらで頬を包む。待つ。パフをすべらせない。 粉をふわっと置く。
どれも、急いでいたら絶対にできない動作だ。
ゆっくり触れると、呼吸が深くなる。 呼吸が深くなると、心が静かになる。 心が静かになると、焦りが消えていく。
その時ふと気づいた。 私は今まで、肌だけじゃなく、 人生にもずいぶん摩擦をかけていたのだと。
「早くしなきゃ」 「もっと頑張らなきゃ」 「ちゃんとしなきゃ」 そんな言葉で、自分をこすり続けていた。
でも、肌をこすらないと決めた日から、 少しずつ、人生の摩擦も減っていく。
急がない。 急がせない。 無理をしない。 無理をさせない。
そんな生き方が、 肌の上から、心の奥へとゆっくり浸透していく。
57歳の今だからこそ、 この変化がしっくりくるのか。
若さではなく、 経験でもなく、 努力でもなく、 “自分を大切にする手つき”が 私を変えていく。
肌をこすらない人は、 人生もこすらなくなる。
それは、 これからの私が歩いていく やわらかい未来の合言葉だ。
あとがき
シミや肝斑に向き合うために始めた“こすらない”という小さな習慣が、人生の歩き方まで変えてしまうとは思わなかった。
肌をいたわるように、 自分にも優しくする。 ゆっくり触れるように、 ゆっくり生きる。
そんな当たり前のことを、 私は57歳になってようやく思い出したのかもしれない。
肌を大切にすることは、 自分を大切にする練習だった。
そしてその練習は、 これからの私の人生を もっとやわらかく、もっと穏やかにしてくれる気がしている。

